
昨日に引き続き、今後のお菓子作りに向けて、素材の話など書きます。
ようやくお菓子の写真が出てきましたが、まだ販売用ではなくて、、、すみません。
3種類の卵で焼き比べたカスタードプリンです。
見た目は、どれもさぶるーのプリンじゃない色ですけど、どれが美味しかったかは後半で。
実は、今も不眠症のような状態が続いてはいますが、一気にお菓子作りの意気込みを取り戻したキッカケのようなものがありまして。
東京のお客様が送ってくださった、柑橘とハーブのマーマレード。

しばらく旨いものを食べたいという欲求が無くなっていたばかりか、食欲も全然なかったので、今の自分の味覚だと繊細な味など分からないだろうなぁ、、と申し訳なく頂いたんですけど、
一口頂いて、、、

ん?
んんん!?
おぉおぉ!!
味覚と嗅覚の集中力が覚醒。。。
柑橘の皮の苦みを程良く出しながら、そこに別の爽やかな苦味。。。

原材料にある洋酒、これ、アブサン(ヨモギのお酒)だそうで、この香り高い苦味が絶妙なんです。
苦味on苦味の美味しさで感動したのは、初めてかもしれません。
ん?、え?、っと、食べ進めるうちに、複雑で繊細な味と香りが増して、、、参りました!
この微妙なニュアンスの苦い旨さが伝わるオタク人ってどれくらいいるんだろうか・・・、とは思うのですけど、旨いものを食べたら、その味をお菓子に表現したくなってしまう癖がドワっと出てきてしまいまして、
なんちゃって自家製のアブサンを作ってみました。

スピリタスに、生ヨモギ+乾燥ヨモギ+アニスシード+フェンネルシード。
これを2か月くらい置いたらマイルドになるらしいので、それから柑橘と合わせたお菓子にして登場させたいと思います。
どんな味になるんでしょう・・・?
そしてそして、ちょっと声も出やすくなってきたので、まだ外で人と話していなかったのですけど、気になっていた卵の生産者に会いに行ってみました。
引き籠り根暗が、初遠出です(笑)

気になっていた卵とは、スーパーの産直コーナーで売っていたのを初めて食べて、
おぉぉ!?平飼い有精卵で、この味出してるなんて、どこの卵、どこの卵???
黄身にはちゃんとコクがあるのに、油臭さや魚臭さは無くて、白身の透明感のあるスッキリした味わい!
(安価な卵は白身にエグミが出る事が多いみたいです)
トップのプリンの写真では、左がこの卵を使ったものです。
真ん中は、別の平飼い有精卵で、黄身の味が薄くて、微かに白身に砂っぽい味が出ています(鳥は砂も食べる習慣があるみたいです)
右は、奈良で旨いと言われている卵黄が濃いタイプの鶏舎飼育の卵で、さぶるーで仕入れていた卵(←京都亀岡産)を少し薄くした感じの味わいで、どことなくワザとらしい卵黄の色とコク。。。
これまで仕入れていた卵は、とても黄身の味が濃くて旨味の強い卵でしたが、気になっていたのは、生食で感じる微かなエグ味と、必要以上にコクを添加したような卵黄の濃さ、鶏舎卵という工業的な生産過程であることでした。
ただ、加熱しても卵のコクがちゃんと残る事、カスタードなどに飼料の魚臭さが出ない事、ケース販売があって、いわゆる高級卵よりも割安に使用できる事などで、7年間ずっとこの卵を使ってきました。
今まで、美味しいと聞く卵を山ほど食べてみました(おそらく奈良産の平飼い卵は全て)が、仕入れていた卵より味とコストで上をいくものがなかったので、若干の引っ掛かりがあったまま使い続けてきました。
平飼いだから良いかというと、全然そうではなく、平飼い・放し飼いでも、安価な飼料で不衛生に育てていて、生臭い卵というのは沢山ありますし、鶏舎飼育でも、自家配合のこだわった飼料を与えて美味しい卵も沢山あります。
そもそも、お菓子は砂糖とかクリームとかバターとか、もっと旨味を感じる素材を使うのだから、卵にそこまで重点的に拘る必要もないのかもしれないですけど、いつか美味しい安全な卵に出会ったら見直したいと思っていた素材の一つなんです。
・・・ということで、三重県まで生産者に会いに行って来ました。
すごい山の中で、自然豊かな元リゾート地で、地元の方々が自然を守りながら運営しているんだとか。
昔の裏庭の小屋で飼ってる鶏、的な感じの、自由にゆったり育っている鶏たち。

大阪の都会から、エコリゾート体験で来たら、なんだか馴染んでそのままスタッフになってしまって、早10年という、若いのにすばらしく気概のある女性が案内してくださいました。
卵は始まってまだ2年だそうで、飼育数も少ないので、奈良へは3カ所、それぞれ数パックずつしか出荷していないなくて、結構希少な卵みたいです。
一つずつ、丁寧に割れを確認して、手作業でパックされています。

実際に行ってみると、味だけではなくて、色々な惚れこみポイントがあって、夏場で産卵数少ないのに50個無理を言って買ってきてしまいました。

秋から雛を増やすそうで、その雛たちが産卵するようになればもう少し流通量は増えるようですが、それでも数人が手作業で世話をしているので、中々大手鶏舎のような流通は難しいそうです。
あと、小規模の平飼い卵でありがちなのが、味が季節によって変わって安定しないという事もあります。
ひとまず、これまでの卵をまた仕入れつつ、いくつかのお菓子で使ってみて、この卵の良さを出せるお菓子から変更していこうかと思っています。
生で食べても安心で美味しいので、思わずパクパク食べてしまうのですけど、、、価格はこれまでの卵の2倍以上・・・。
大事に少しずついただかねば。
プリン以外にも、試作で何種類か焼いてみます。
そんな事もしつつ、9月に入ったら始動できるように、製造計画も組み始めておりまして、いつも(のような)さぶるーのお菓子販売再開までもう一歩というところに来ました。
後から振り返ればこの期間を笑い飛ばせるように、マイペースで進んでいきます。
また長文になりました。
いつもご覧下さって、本当にありがとうございます。
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